デジカメドレスアップ主義:数千円で味わうライカテイスト

ソニー NEX-5 + XRリケノン50mm F2
Reported by澤村徹

  • ボディ:ソニーNEX-5(ブラック)
  • レンズ:リコー XRリケノン50mm F2
  • マウントアダプター:muk select ペンタックスKマウントアダプター
  • ストラップ:アコレプロダクツ レザーカメラストラップ(ウォールナット×牛革(黒))

※この記事を読んで行なった行為によって生じた損害はデジカメWatch編集部、澤村徹および、メーカー、購入店もその責を負いません。また、デジカメWatch編集部および澤村徹は、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

 XRリケノン50mm F2は、リコーXR500の標準レンズだ。XR500は1978年に登場した普及価格帯一眼レフカメラで、3万9,800円という戦略的な価格だった。XRリケノン50mm F2単体も9,000円と低価格に設定されており、現在の中古相場も4,000〜5,000円程度だろう。つまりXRリケノン50mm F2は、今も昔もお手頃価格の標準レンズというわけだ。

 さて、その安いオールドレンズをなぜ取り上げたのかというと、このレンズは和製ズミクロンの異名を持つからだ。ここでいうズミクロンとは、ライカの定番標準レンズ、ズミクロン50mm F2のことだ。描写傾向はすっきりシャープによく写るというもので、どんなシーンも安心して任せられる。数千円のレンズがこのズミクロンに迫るというのだから、オールドレンズファンなら一度は試してみたくなるはずだ。XRリケノン50mm F2は前期型と後期型に分かれ、前期型の方が特に人気がある。とはいえ前期型が極端に高いというわけではないので、手頃な出物を腰を据えて狙いたい。

 XRリケノン50mm F2はペンタックスKマウントだ。ペンタックスKマウントのレンズは、マウントアダプター経由でEOS 5DおよびEOS-1Dsシリーズに付ければフルサイズで撮れる。ただし、このレンズは後玉近辺に自動絞り機構のレバーがあり、これがせり出しているためフルサイズ機だと内部干渉してしまう。NEXシリーズとの組み合わせではこうした問題はなく、マウントアダプターを介して実絞りで撮影できる。

XRリケノン50mm F2は52mm径のねじ切りがある。市販のフィルターやフードが装着できるmuk selectのNEX用ペンタックスKマウントアダプターは三脚座付きだが、取り外しも可能だ
前期型は最短45cmまで寄れる。絞りリングの「50mm」表記も前期型を見分けるポイントだ自動絞り機構のレバーがせり出しているため、EOSのフルサイズ機では内部干渉してしまう

 ストラップはアコレプロダクツの製品を合わせてみた。同社はオーダー家具を製造する傍ら、レザー製の雑貨を手がけているメーカーだ。このレザーストラップは、デザインアクセントとして天然木を縫いつけている。家具メーカーらしさがかいま見えるデザインだ。また、肩パット部分を片側だけ斜めにカットしたデザインも新鮮みがある。表はオイルレザー、裏面はピッグスウェードを使い、取り付け具として三角リングを採用している。

muk selectのNEX用ペンタックスKマウントアダプターはRJ Camera製だ。価格は7,500円底面の2本のネジを外すと三脚座を取り外せる。パーセルなどでネジ穴を塞いでおこう
アコレプロダクツのレザーカメラストラップは黒と茶の2色展開だ。価格はともに4,725円天然木の種類はカラーによって異なる。茶はメープル、黒はウォールナットが縫いつけてある

 ライカレンズの多くは、開放から実用的という強みがある。特にズミクロンの50mmF2というスペックは、設計に無理がないぶん開放からシャープだ。では、和製ズミクロンの描写はどうだろう。開放ではコントラストが低いものの、シャープさとボケ味はかなり健闘している。F4以上に絞ると一気にコントラストが高まり、この描写を数千円で楽しめるのであれば、コストパフォーマンスは抜群だ。なお、作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
NEX-5 / XRリケノン50mm F2 / 4,592×3,056 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mmNEX-5 / XRリケノン50mm F2 / 4,592×3,056 / 1/200秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
NEX-5 / XRリケノン50mm F2 / 4,592×3,056 / 1/1,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mmNEX-5 / XRリケノン50mm F2 / 4,592×3,056 / 1/2,500秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
NEX-5 / XRリケノン50mm F2 / 4,592×3,056 / 1/2,500秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mmNEX-5 / XRリケノン50mm F2 / 4,592×3,056 / 1/500秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/11/4 00:00