キヤノン社長に御手洗冨士夫氏が返り咲き。内田氏は相談役に


 キヤノンは30日、会長兼CEOの御手洗冨士夫氏が社長に内定する人事を発表した。現社長の内田恒二氏は相談役に退く。

社長に就任する御手洗冨士夫氏(右)と相談役に就任する内田恒二氏(左)。内田氏の社長就任会見(2006年)で撮影

 30日の取締役会で内定した。3月29日に開催する株主総会およびその後の取締役会を経て正式に決定する。

 御手洗氏は1995年~2006年まで同社の社長を務めており、今回社長に再び戻ることになる。今後は、2006年から務めている会長職も兼務する代表取締役会長兼社長CEOとなる。一方の内田氏は、2006年5月から代表取締役社長兼COOを務めていた。

 理由について、「厳しい経営環境の中、グローバル優良企業グループ構想フェーズⅣ(2011~2015)の目標達成を着実に進めていくため」としている。同構想では全主力事業の圧倒的世界首位などを掲げており、最終年の売上高5兆円達成が目標。併せて、主要経営指標のすべてで世界トップ100社になることを目指している。

 同日発表した2011年通期(2011年1月1日~2011年12月31日)の業績は、売上高3兆5,574万3,300万円(前年比4%減、以下同)、営業利益3,780億7,100万円(2.4%減)、純利益2,486億3,000万円(0.8%増)。東日本大震災、タイの洪水、欧州経済の混乱、円高などのマイナス要因があったものの、関連市場はおおむね堅調に推移したという。

 デジタル一眼レフカメラは各地で大幅に販売を伸ばした一方、コンパクトデジタルカメラは先進国で低迷。デジタルカメラの販売台数は前年比4%減となった。次期は20%増を見込む。

 2012年通期では、売上高3兆7,500億円(5.4%増)、営業利益3,900億円(3.2%増)、純利益2,500億円(0.6%増)を見込む。デジタル一眼レフカメラの需要は全地域で引き続き拡大すると見ている。





(本誌:武石修)

2012/1/30 16:45